東京聴覚障害者福祉事業協会 様
東京聴覚障害者福祉事業協会は、聴覚障害をお持ちの方向けの支援事業を行う組織で、ろう重複者のための施設およびグループホームの運営・障害児のための学童クラブ・手話通訳者や要約筆記者の派遣・養成を行っています。
同協会では、都内4拠点・職員約150名が利用するグループウェアとして「Garoon」を利用しており、2020年に登場したプラグインVideo会議室 for Garoonをいち早く導入しました。今回はプラグイン導入の経緯やその効果について、法人本部事務局 財務・IT・研修担当 課長の原田洋行氏にうかがいました。
東京聴覚障害者福祉事業協会様の「Video会議室 for Garoon会議」の様子
Q:Video会議室 for Garoon導入前の課題を教えてください
2020年にコロナ禍で在宅勤務が始まると、どうしても「この人に会いたいけれど会えない」「相談したいけれどできない」ことが課題になりました。そこで、Zoom・Teams・Skypeなど色々なビデオ会議ツールを試し、最終的にZoomに落ち着きました。とはいえ、Zoomにはアカウント数に限りがあるので使いたい時に枠が埋まっていることもあり、職員間のちょっとしたコミュニケーションは諦めている状態でした。
Q:Video会議室 for Garoon導入の経緯を教えてください
2020年の夏、サイボウズのメールマガジンで「Video会議室 for Garoonトライアルの募集」を知り、応募しました。手話を使う私たちにとって「画面でコミュニケーションができる」ことはとても魅力的です。また、当協会ではZoomの予約はアカウントの管理部門に連絡をして行う運用なので、気軽に会議を設定できる状況ではありません。Video会議室 for Garoonは、Garoonアカウントがあれば誰でも会議を作成できることから「これまでより気軽に画面でのコミュニケーションができるようになるといいな」と思っての応募でした。
Garoon管理者の原田氏
Q:Video会議室 for Garoonのプラグイン設定や全社導入はどのように進めましたか?
Video会議室 for Garoonのプラグインの設定はマニュアル通りに進め、スムーズに完了できました。
Video会議室 for Garoonはプラグインを入れるだけで簡単だった
その後、全職員にVideo会議室 for Garoon導入のお知らせを掲示板で行いました。
まずは全職員へのVideo会議室 for Garoon導入のお知らせを発信した
Q:職員の皆様はどのようにVideo会議室 for Garoonを利用されていますか?
Video会議室 for Garoonの導入は在宅勤務が始まったばかりの頃だったので、すぐに「ちょっとこれについて聞きたい」という10分〜1時間以下のショートミーティングに利用され始めました。Video会議室 for Garoonの良いところは、Garoonのアカウントを持っている職員なら誰でも、承認を得ることなくビデオ会議ができるところと、部屋の数をいくらでも増やせるところです。そのため「思い立った時、ちょっとつなごうか」という感じで利用されており、同時にいくつもの会議が行われています。私は管理者として「選択肢としてVideo会議室 for GaroonとZoomの両方あります」と伝えただけでしたが、皆さんが自由な発想で色々な使い方をされるうちに、「Video会議室 for Garoonの方がZoomより気軽だね」と感じて、自然にこの使い分けが行われるようになりました。
Video会議室 for GaroonとZoomの使い分け
Video会議室 for Garoon | Zoom | |
用途 |
ショートミーティング 思い立った時 ちょっとしたコミュニケーション |
定例ミーティング 大人数の会議 外部の方との会議 |
参加人数 | 〜8人まで | 大人数 |
特徴 | 誰でも気軽に即開催できる | 外部の人とも利用できる |
会議室の予約方法
会議室の予約はとても簡単
Q:会議室の予約は簡単にできましたか?
簡単でした。Video会議室 for Garoonは、施設予約の中の「Video会議室」スケジュールから予約をします。
Video会議室 for Garoonの予約はGaroonの「施設予約」から行う
ビデオ会議室の予約手順は「予定の登録をクリック」→「①日時の選択」→「②タイトルを入力」→「③参加者を追加」→「④Video会議室施設予約に追加」→「⑤登録ボタンを押す」の5ステップです。
ビデオ会議室の予約手順
会議への参加は、施設予約のスケジュールから目的の会議の「予約の詳細」をクリックし、詳細画面に表示されている「V4G起動」ボタンを押すとビデオ会議室が立ち上がります。
Video会議室 for Garoonの「起動ボタン」1クリックで会議を開始できる
Q:Video会議室 for Garoonの導入効果を教えてください
「手話を伴う会議」が気軽に開催できる
手話をともなうビデオ会議が気軽にできるようになりました。Garoon上の文字だけよりも、実際に顔を見てコミュニケーションできることで、より正確に、ニュアンスも含めて伝わりやすくなったと思います。
手話をともなう会議を気軽に開催できる
会話の「字幕表示」が情報の一つとして伝達の助けになる
Video会議室 for Garoonは「会話の内容を字幕表示」してくれます。手話は前後の空間を使うので、画面ではフラットになり見えにくい時もあります。また唇の形も読み取るので、マスクをしていると動きが見えません。こうした制約がある中で、字幕が情報の一つとして伝達の助けになっています。また、後から内容を確認する時に字幕の文字情報が残っている点も便利ですね。手話を使う時も、コロナ禍でマスク姿が増えた状況の中でも、Video会議室 for Garoonは役立っています。
会話が字幕表示される。文字情報は議事録として保存できる
「画面共有をしたいだけ」の場合にも便利
「画面を共有したいだけの場合」にも便利さを感じています。例えばシフトを組みたい時に、同じ事務所内で自席にいながら、シフト表の画面を共有しミーティングができます。プロジェクターの利用をする必要がないので手軽です。
シフトの話し合いなど「画面共有をしたいだけ」の場合にも便利
Q:Video会議室 for Garoonにおける今後の展望を教えてください
Video会議室 for Garoonは、最新のバージョンアップで画面共有が可能になり、かなりZoomに近い使用感になりました。今後は、8人以内の会議であれば、ZoomでしていることもVideo会議室 for Garoonに切り替えて行こうと思います。Video会議室 for Garoonの用途が増えて、Zoomとの使い分けが一層進むと、費用はもっと抑えられると考えています。
また、より良いサービスを提供するためには、情報が共有されていることが大事です。ある利用者様に支援をする際に、その方の情報がどれだけ共有されているかによって同じようなサービスの提供であっても、質が上がっていくからです。Video会議室 for Garoonで「画面でちょっとした打ち合わせ」を重ねていくことで、コミュニケーションが深まり、双方の距離が近づいて、それが利用者様に提供できるサービスの質向上につながることを期待したいと思います。
貴重なお話をありがとうございました。
取材:2021年12月1日